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ICLとは

IICL(アイシーエル)は、小さなレンズを目の中に移植(インプラント)して近視や乱視を矯正し、裸眼視力を回復させる新しい視力矯正手術です。レンズを黒目(虹彩)の裏側の後房と呼ぶ位置に固定するので「有水晶体後房レンズ」、「フェイキックIOL(Phakic IOL)」(phakicは水晶体の英語名)、あるいは「有水晶体眼内レンズ」ともいいます。

ICL(アイシーエル)の特徴は、適応範囲が広くレーシックでは適応外となる強度近視の方や角膜が薄い方にも適応が可能なこと、視力矯正の精度が高くハードコンタクトレンズと比べても見え方に遜色がなく手術後の満足度が高いこと、など。またいったん移植(インプラント)したレンズは取り出して元の状態に戻すことも可能です。

※これはレーシックのように角膜を削る視力矯正手術とは大きな違いといえるでしょう。

ICL(アイシーエル)自体は、20年以上の歴史があり、現在ではヨーロッパ諸国、アメリカ、韓国、中国など世界各国で薬事承認されています。
日本でも国内治験の結果からICL(アイシーエル)の有効性と安全性が認められ、高度管理医療機器「有水晶体後房レンズ」として2010年には近視矯正用レンズが、2011年には乱視矯正も行えるトーリックレンズが厚生労働省から承認を受け、2014年には光学部中央に小さな孔の空いた新しいデザインのレンズが承認を受けています。

※ICLは自由診療です。

日本初の技術ICL

従来のICLは、房水循環を保つためにLI(レーザー虹彩切開術)やPI(周辺虹彩切除術)の必要がありました。その課題を解決すべく、北里大学 清水公也教授によって光学部中心に極小の貫通孔を設けた新しいモデル「ICL KS-AquaPORT®」が考案されました。

これにより視機能への影響はなくかつLIやPIをせずとも、房水循環の維持が可能になりました。
ICLは、2011年にCEマークを取得、2014年に日本において薬事承認を得ています。

ICLの特徴

メガネやコンタクトレンズの煩わしさから解放されたい方、裸眼で思いっきりスポーツを楽しみたい方、レーシックで角膜を削ってしまうことに抵抗がある方などにおすすめです。

9つのメリット

  • 高満足度、鮮やかな見え方
  • 長期安定性
  • ドライアイ等のリスク軽減
  • 術前の状態に戻せる
  • 近視や乱視に適応可能
  • 圧倒的な使用実例数
  • 有害な紫外線(UV)をカット
  • 日帰り手術が可能
  • レンズ素材の安全性
1. 高い術後満足度、鮮やかな見え方

一般に目の中の水晶体に近い位置にレンズをおいて矯正を行うので矯正精度が高く、ハードコンタクトレンズと比べても遜色のない鮮やかな見え方が得られると云われています。
これまでの調査では手術を受けた方の98%が1.0以上の裸眼視力に回復しており、手術実績は良好です。

ICL挿入眼の見え方
(シミュレーション画像)
レーシックの場合の見え方
(シミュレーション画像)
2. 視力の長期安定性が期待できる

近視や乱視が強めの方の場合、レーシックによる視力矯正では術後数年で視力が少し戻ってきてしまう傾向があります。ICLでは、このような視力の戻りが大変少なく、長期的に安定した視力が期待できます。

3. ドライアイや視覚障害の出現が少ない

レーシックではフラップ作成時に知覚神経が切断されるため、一時的にドライアイが生じやすくなります。
通常、切断された神経は3カ月程度で元に戻るのですが、もともとドライアイの症状があった場合、レーシックによって症状が悪化することもあるようです。 あるいは、レーシックでは術後に暗い場所で光がにじんで見えたり、コントラスト感度が低下することもあります。
これらは、エキシマレーザーの照射径が暗所で開いた瞳孔のサイズより小さかった場合によく起こるようです。 角膜を整形しないICLではこのような視覚障害の出現が少なくなります。

- レーシック術後に起こるといわれる主な視覚障害 -
ハロー(halo) 光を見たときにその周囲ににじんだ輪が見える視覚障害
グレア(glare) 光を見たときにギラギラしたまぶしさを感じる視覚障害
コントラスト
感度低下
暗いところで見えにくくなる視覚障害
4. 術後でも術前の状態に戻せる

ICLのレンズは大変柔らかい素材でできており、3㎜の切開創から出し入れが可能です。いったん目の中にセットしたレンズは、比較的簡単に取り出すことが可能です。見え方に不満がある場合、あるいはアレルギーなどの問題が出た場合に取り出して元の状態にもどすことができます。度が進んでしまった場合でもレンズを交換し良好な視力を得ることができるのです。
このほか、将来白内障になった場合はレンズを取り出して、白内障の治療をします。この際、ICLを受けた方の場合はレンズを取り出せば目が術前の状態に戻るので白内障用眼内レンズの度数決定は通常の計算式で問題なく行えます。

5. 強度の近視や乱視に適応可能

レーシックでは矯正できる度数には上限があります。また角膜が薄い方の場合、レーシック不適応となり、手術を受けること自体ができません。
ICLは角膜を削らずに視力矯正を行うので、角膜が薄い方でも手術を受けることが可能です。また、幅広い度数のレンズをそろえているため、レーシックでは矯正できない強度の近視や乱視の方でも視力矯正を行うことが可能です。

6. 40万眼を超える圧倒的な使用実績数

ICLはフェイキックIOLとしては後発ですが、1997年にヨーロッパでCEマークを取得。
現在は70か国で薬事承認を取得しており、世界全体での累計症例数は50万眼以上(2015年4月時点)と圧倒的に多い使用実績があります。

7. 有害な紫外線(UV)をカット

紫外線のダメージが目の奥に蓄積すると眼病の原因になると云われています。ICL(アイシーエル)のレンズには、有害な紫外線(UV)をカットする紫外線線吸収剤が含まれています。紫外線によるダメージを軽減する効果が期待できます。

8. 日帰り手術が可能

レンズ挿入のための切開創は3mmと小さく、慣れたドクターであれば10分~15分で両眼の挿入術を完了します。また3mmの切開創は点眼のみで自然治癒するため、通常は縫合する必要もありません。麻酔などを含めた全体でも1時間はかからない手術ですから、目への負担が小さく、早ければ手術した翌日には回復し、視力の変化を実感できます。

9. レンズ素材の安全性

ICLのレンズはCollamerという新素材でできています。CollamerはHEMA(水酸化エチルメタクリレート)とコラーゲンを重合させた含水性の柔らかい素材で、目の中に入るとコラーゲンが体内の糖タンパク(フィブロネクチン)と結合し、レンズ表面に膜を形成します。
このためICLのレンズは眼内で異物として認識されにくく、曇ったりせずに、長期にわたってレンズとしての機能を果たすことが可能です。

よくある質問

Q.誰でもICL(アイシーエル)の手術を受けられますか?
年齢が21~45歳で近視または乱視の方、目の病気(緑内障・糖尿病網膜症・白内障など)がなく、医師により適応が確認された方が手術を受けられます。手術前に適応検査を行い、人それぞれの近視量、目の大きさに合わせてレンズを選ぶ必要があります。
Q.ICL(アイシーエル)のレンズは目のどこに移植(インプラント)するのですか?
目の中の黒目(虹彩)の裏、水晶体の前の後房と呼ばれる位置に移植(インプラント)します。黒目の裏に固定することで、ズレたりする心配はほとんどありません。また、外見からレンズが見えることもありません。移植(インプラント)後、特別なケアは必要ありませんが、手術を受けた眼科への定期的な受診をおすすめします。
Q.ICL(アイシーエル)のレンズはどんな素材でできていますか?
コラマー(Collamer)と呼ばれる独自の素材で出来ています、ソフトコンタクトに使われる素材であるHEMA(水酸化エチルメタクリレート:hydroxyethyl methacrylate)とコラーゲンを含む生体適合性の高い素材で作られています。この素材は目の中で異物として認識されにくい大変優れた素材です。特別なメンテナンスなどをしなくても目の中で曇ったりせずに長期間透明な状態を維持し、長くレンズとしての機能を果たすことが可能です。さらに紫外線吸収剤が含まれていますので有害な紫外線(UV)をカットしてくれます。
Q.どうして手術後クリアに見えるのですか?
精度の高いレンズを使って目の中で視力矯正を行っているため、収差(光の結像のズレ、像のボケやゆがみ)が少なくクリアな見え方が期待できます。
Q.手術を行った後、どのぐらいで視力が安定しますか?
角膜を削らずに、小さな切開創からレンズを目の中に移植(インプラント)するだけなので手術当日から裸眼で過ごせます。手術直後は目の中で若干の炎症が起こるため見えにくい場合もありますが、通常は翌日から1週間ほどで良好な視力に回復することが多いようです。ただし手術による切開創は自然治癒するまでに1カ月から3カ月程度の期間を要する場合があります。このため、手術後は視力が良好に回復した後でも担当医師の指示には従ってください。また視力回復後も担当医師による定期的な受診をおすすめします。
Q.手術後に、視力が変わった場合はどうすればいいですか?
移植(インプラント)したレンズは取り出して交換することが可能です。あるいは移植(インプラント)したレンズはそのままにしておいて、他の屈折矯正手術を受けることもできます。また何度も手術を受けたくない方は、レンズを移植(インプラント)したままの状態でメガネやコンタクトレンズを併用することも可能です。老眼の方は、老眼鏡をかけることができます。詳しくは担当医師にご相談ください。
Q.合併症など、手術のリスクはありますか?
まれにレンズと水晶体が干渉し白内障を誘発することがあります。その場合は、いったんレンズを取り出して白内障の治療をします。また以前には手術後に、目の中の水(房水といいます)の流れに変化が生じて眼圧が上昇することがありました。現在は、レンズ中央に孔の空いた新デザインレンズ「アイシーエル KS-AquaPORT®」が登場し、合併症のリスクは少なくなっています。。詳細は担当医師とご相談ください。
Q.レンズを目の中に移植(インプラント)する治療法はICL(アイシーエル)だけですか?
角膜の内側、黒目(虹彩)の表側の前房と呼ぶ位置にレンズを固定する別の治療法が以前からあります。ただし、この治療方法では手術を受けた方の角膜内皮細胞が術後数年間で顕著に減少しているという報告があり、水泡性角膜症の発症リスクが懸念されています。レンズを後房と呼ぶ位置に固定するICL(アイシーエル)で角膜内皮細胞が著しく減少しているという報告はまだありませんが、内眼手術であるのは同じです。レンズを移植(インプラント)する以上、レンズが周囲の眼内組織と干渉するリスクがあることに変わりはありません。内眼手術によるリスクなどの詳細は担当の医師にお尋ねください。