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検査・手術のご相談

視野検査

視野計の内側に顔を固定して中心のマークを見つめ、周辺に出現する小さな光が見えたら、手に持っているブザーを鳴らして、視野の範囲や欠落部を調べます。
片目ずつ行い、両目の検査が終わるまでに30分くらいかかります。

光干渉断層計

近赤外線を利用して網膜の断面像を得ることのできる検査です。
患者さん自身にほとんど負担をかけることなく光学顕微鏡に近い制度の像が得られる、非常に画期的な検査です。
加齢黄斑変性、黄斑円孔や網膜浮腫などの疾患の診断に大変有用です。

加齢黄斑変性症

年齢を重ねるとともに網膜色素上皮の下に老廃物が蓄積してきます。それにより直接あるいは間接的に黄斑部が障害される病気が加齢黄斑変性です。

加齢黄斑変性の症状

1. 変視症

網膜の腫れや網膜の下に液体が溜まると網膜がゆがみます。ゆがんだフィルムで写すとゆがんで写るように、ゆがんだ網膜で見るとものがゆがんで見えます。黄斑部は障害されますが、周辺部は障害されていませんので、中心部はゆがんで見えますが、周辺部は正しく見えます。

2. 視力低下、中心暗点

さらに黄斑部の網膜が障害されると、真ん中が見えなくなり(中心暗点)、視力が低下します。視力低下が進行すると運転免許の更新や字を読んだりすることができなくなります。通常、視力低下は徐々に進行し、治療をしなければ多くの患者さんで視力が0.1以下になります。網膜下に大きな出血が起こると突然、著しい視力低下が起こることがあります。萎縮型と滲出型を比べると、滲出型のほうが進行が早く、視力悪化も重症なことが多いです。

3. 色覚異常

症状が進んでくると色が分からなくなってきます。

硝子体注射
(加齢黄斑変性に対して抗VEGF薬投与)

加齢黄斑変性は、視力にとって大切な黄斑部の下にある脈絡膜から新生血管ができる病気です。この新生血管から血液が漏れ出してくると視野の真ん中が見えにくくなったり、ゆがみが出たりします。

当院では、加齢黄斑変性症への最も先進的な治療である『抗VEGF抗体』という薬剤の投与を、硝子体注射によりおこなっています。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症として起きてくる眼の病気です。予備軍も含めると2,000万人といわれる闘病病の患者数の多さもあって、糖尿病網膜症は緑内障とともに成人してから失明の大きな原因疾患となっています。

糖尿病網膜症は、糖尿病患者の約40%で見られます。糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態、すなわち高血糖状態が続く病気です。
健康な人では、食事の後、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されて、食べたものに含まれる糖分をエネルギーに変換します。糖尿病では、このインスリンの量や働きが低下してしまうのです。
糖尿病には、のどが渇く、多尿などの症状がありますが、これらは血糖値がかなり高くならないと現われません。血糖値が多少高い程度の状態では自覚症状はほとんどないために、糖尿病を治療しないでいる人が少なくありませんが、合併症はからだの中で確実に発症・進行しているのです。
糖尿病の眼の合併症は網膜症以外に、白内障をはじめ、さまざまな病気があります。

糖尿病網膜症の症状

初期の段階

糖尿病発症後、数年から10年くらいで糖尿病網膜症を発症しやすいといわれており、初期には症状がみられません。
しかし、目の中の血管の状態をみると、小さな出血など、少しずつ異常があらわれています。自覚症状を感じたときには、網膜症がかなり進行していることがほとんどです。

中期の段階

視界がかすむなどの症状が感じられます。このとき目の中で、血管がつまるなどの障害が起きています。

末期の段階

視力低下や飛蚊症が起こり、さらには失明に至ることもあります。目の中で大きな出血が起こる、あるいは網膜剥離や、緑内障など、他の病気を併発している場合があります。

緑内障

日本人における視覚障害の原因疾患の第一位は緑内障です。治療せずに放っておくと失明につながるおそれがあります。40歳以上の日本人の20人に一人が緑内障と推定されています。

また、緑内障は視野(見える範囲)が狭くなってくる病気です。片方の目に見えない部分があっても、両目で見ているともう片方の目でカバーしてしまうため、見えない部分がかなり広がるまできづかないことが多い病気です。

また眼圧が急激に上昇して発症する急性緑内障では、眼の痛みや頭痛、吐き気など激しい症状を起こすことがあります。急性緑内障は、充血や瞳が青っぽくなるといった見てすぐにわかる症状がでやすいです。
緑内障を早期に発見し、治療をきちんと受けて、眼圧をしっかり管理できれば、多くの場合、失明に至ることはありません。早期発見と治療を継続することが大切です。

緑内障の原因

眼球の中は房水によって満たされており、眼球は内側から外側に押されて球体を維持しています。この眼球を外側へ押す力を眼圧と呼んでおり、房水の量は産出と排水のバランスが保たれており、適度の眼を維持しています。

しかし何らかの原因で房水の流れが妨げられると眼球内の房水の量が増加して眼圧が上昇し、視神経が押しつぶされて損傷し、正常に機能しなくなります。
緑内障の中でも日本人に多いのが正常眼圧緑内障だといわれています。正常眼圧緑内障とは、眼圧が高くないにもかかわらず緑内障になる事をいいます。視神経が痛めつけられる大きな原因は高眼圧ですが、眼圧は正常値なので緑内障を発症する人が多いことがわかっています。

視神経乳頭の強さは人によって異なりますが、視神経が構造的に弱い場合、正常レベルの眼圧でも視神経が傷つけられています。
眼圧は1日の中でも変化するものであり、1年を通じてみいると、冬季に多く、夏季に低くなりやすいことも知られています。
眼圧に影響するものとしては、年齢、性別、近視や遠視の程度、人種、体型、運動、血圧などもあります。緑内障の患者さんは特に1日の眼圧の変化が大きいです。

緑内障の治療

緑内障の治療では、まず眼圧を下げることが大切です。眼圧を下げることによって緑内障の症状が進行するのを遅らせる効果があるためです。大半は目薬だけで眼圧をコントロールできる方が多いです。

点眼薬の服用でも効果がない場合、レーザー治療をおこないます。レーザー治療には、虹彩に孔をあけて眼内の房水の流れを変えるものと、線維柱帯に照射することで房水の排出を促進するものがあります。痛みはほとんどありません。